何故、あなたは笑ってくれないの?



本当の自分を知られるのが怖いから?



もし、私が本当のあなたを知っていたら?



あなたは私をも拒絶する?



そんなあなたを好きだとしても?





〜key to my heart〜





リーマスを好きになったのは、ついこの前。
それまでは、悪戯仕掛け人として、友達としてしか見ていなかったのに。
いつの間にか、リーマスに引かれていった。

そして、今日。やっと自分の気持ちにも整理がつき、告白しようとしていた。



夜、いつものように悪戯をしに行って談話室に帰ってきた。
途中ジェームズたちと逸れてしまったので、
帰ってきているであろう談話室に先に戻ったのだ。
しかし、談話室にはリリーしかいなかった。


「リリー、まだ起きてたの?あれ?ジェームズ達は?」


「お帰り。ジェームズ達ならまだ帰ってきてないけど・・・」


「そう・・・」


は、窓の近くの椅子に腰掛けた。


「ごめんね、。私・・・もう寝るわね」


欠伸をしながらソファから立ち上がるリリー。


「あっ、うん。お休みリリー」


「お休み」


そう言うと、リリーは女子寮へと戻っていった。





誰もいない談話室。は、ジェームズ達の帰りを待った。
リーマスに早く気持ちを伝えるために。


は、窓の外を見た。綺麗な満月が校庭を照らし出していた。


「・・・満月か・・・・・・やっぱり・・・・・」


ぽそりと呟くに、暴れ柳に向かう4つの影は見えなかった。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」


誰かに揺すられ、目を開けた


「んっ?・・・・リーマス!?」


は、目の前にいたリーマスに驚いた。


「どうしたの・・・?もう朝だよ。こんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ?」


「どうしたもこうしたもないわよ!あんたたちを待ってたんじゃないの」


少し怒りながら言う
ふと、リーマスに傷があるのに気づいた。



「・・・・・・やっぱり・・・・・・・・」



「?何か言った?」


「うん?何でもない」


慌てて平気な顔をする。


「んで・・・ごめん・・・。待っててくれたんだね」


誤りながら、少々暗い表情になるリーマス。


「僕たち・・・に内緒で新しい悪戯を仕掛けてたら遅れちゃったんだ・・・」


苦笑しながら言うリーマスには・・・



(ウソばっかり・・・・でも・・・・今、言わなくちゃね・・・・)



「あのね・・・リーマス・・・」


「何だい?


は座っていたソファから立ち上がり、真っ直ぐリーマスを見つめた。



「私・・・私ね・・・リーマスのことが好き!!!」



「えっ!?」



リーマスは目の前にいるを見た。



「ずっと前までは・・・友達・・・親友としか見てなかったのに・・・
つい最近になって・・・この気持ちに気づいたの・・・」



「そっか。僕も、のことが好きだよ。親友としてじゃなく、一人の女性として」



は少し顔を赤らめた。



「でも・・・・・・・・・でも本当の僕を知ったら・・・・
は僕のことなんて好きじゃなくなるよ」



「・・・本当の・・・・リーマス・・・・か」



「だから・・・ごめん・・・・。」



重い沈黙・・・・・。しかし・・・



「・・・私が本当のあなたを知っていたら・・・?」


はリーマスを見つめるのをやめ、下を向いた。



・・・・?」



「・・・私は・・・あなたが人狼だって知ってた・・・」



「えっ・・・?!」



リーマスが驚く。 



「昨日もそうだよね、さっきリーマスが言ったことウソでしょ?」



「・・・・・・・・・・・・・・・」



は、また顔を上げリーマスを見た。その瞳には涙が溢れていた。



「私は・・・リーマスが人狼だって良いの!!
私はリーマスが好きなの!!!
そりゃぁ・・・黙ってたことは怒るけど・・・・・・・」


リーマスは、涙を流しているを優しく抱いた。



「・・・本当は、に知られるのが一番怖かったんだ・・・。
好きな人までにも、本当の自分を知られて拒絶されるのが怖かったんだ」



「良いのよ・・・もぅ・・・リーマスの気持ち分かるから」



は、リーマスの腕の中で泣きながら言った。
そして、どちらからでもなく優しいキスをした。





数分後(ヲイ?)リーマスから少し離れてが言った。


「私もね・・・アニメーガスになろうと思うの。
ジェームズ達が、アニメーガスだって分かってから、ずっと思ってたの。
リーマスと少しでも一緒にいたいもの」


少し赤らめて微笑む



「有難う。って・・・僕たちのことよく見てたんだね」



「そんなことないよ。・・・・・さてっ!そろそろ朝食の時間だわ。
リリーを起こしに行ってくるから、リーマスは
そこで覗き見しているジェームズ達を連れて来てちょうだい!」


と、男子寮に行く階段を指差し、自分は女子寮に走っていった。





「流石!!よく僕達のことを見てるものだ!」


がいなくなった談話室に、男子寮の階段の方からジェームズ達が出てきた。


「ジェームズ!シリウス!それにピーターも!」


「ごめんね・・・リーマス。
ジェームズとシリウスが見よう見ようって言ったから・・・」


ピーターが苦笑しながら言った。
その言葉に、すかさずジェームズとシリウスが言い返す。
そんな、3人をよそにリーマスは・・・・


・・・分かってて、あんな恥ずかしいセリフがよく言えるよ」


と、1人感心していた。





全部のとげがとげが抜けたわけではない・・・・・・。



それでも・・・私は・・・あなたの傍にいるから・・・・・。



あなたと・・・ずっと一緒にいるから・・・・・。



好きだよ・・・・・・・・・リーマス。









数日後、とリーマスから覗き見の罰を受けたジェームズ達。
その時、グリフィンドール寮から奇妙な叫び声がしたのを
セブルスが聞いたらしいとか。








END











◆後書き◆
かなり修正の手を入れてしまいました;
シリアスラブ目指してたのに・・・結局甘いのかよ。。。








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