まさか・・・またもや事件が起こるとは・・・
〜絶命日パーティー〜
十月がやってきたある土曜日。ハリーはクィディッチの練習後に
「ほとんど首無しニック」の絶命日パーティーのことを話した。
もちろん、とロンとハーマオニーは賛成した。
(ニックにはいろいろとお世話になってるからね〜)
と心の中で思い、ハーマオニーと一緒に喜んでいるだった。
しかし、ハロウィーンが近づくのにつれて、ハリーとロンは絶命日パーティーに
出席することを後悔し始めた。
「約束は約束でしょ」
ハーマオニーは命令口調でハリーに言った。
「そうよ、絶命日パーティーに行くって言ったのはハリーなんだから」
も後に続く。
そんなわけで、七時になると四人は、金の皿やキャンドルの吸い寄せるような輝きや
満員の大広間のドアの前を素通りして、皆とは違って地下牢のほうへと足を向けた。
会場に着くと・・・とても楽しいムードとは言えなかった。
四人でいろいろ回っていると----------
「あーーーっいやだわ」
ハーマオニーが突然立ち止まった。
「戻って、「嘆きのマートル」とは話したくないわ・・・」
ハーマオニーが三人のローブを引っ張った。
「あら?マートル・・・こんにちは」
噂をすれば何とやらで・・・ずんぐりした女の子のゴーストがスルスルとやってきた。
ハーマオニーが軽く会釈する。
「マートル!」
が突然叫ぶ。
「あら・・・。久しぶりね・・・また転------」
「マッ、マートル!今言っちゃダメよ!」
は、慌ててマートルに言う。
「そうね・・・・」
「も知ってたの?」
ハリーがマートルに聞こえないように聞いてきた。
「えぇ・・・まぁね」
その後、また回っていたら・・・とうとうロンがしびれを切らした。
「僕、もう我慢できないよ」
「行こう」
ハリーも同じ思いだったらしい。
いろんなゴーストに怪しまれないように、四人は急いで元来た方へと歩いていった。
「デザートがまだ残っているかもしれない」
玄関ホールに出る階段への道を、先頭を切って歩いていたロンが言った。
そのとたん、ハリーが急に立ち止まり石の壁に耳を当てていた。
「ハリー、いったい何を?・・・・」
「またあの声なんだ-----ちょっと黙ってて-----」
ハリーが聞いた声は、処罰の次の日に三人に話してあった。
「こっちだ」
ハリーはそう叫ぶと階段を駆け上がって玄関ホールに出た。
しかし、そこでは何か聞こうなど無理な注文だった。ハロウィーンパーティーの
ペチャクチャというおしゃばりが大広間からホールまで響いていた。
ハリーは大理石の階段を全速力で駆け上がり二階に出た。
とロンとハーマオニーもバタバタとあとに続いた。
「ハリー?私たち一体何を・・・」
「シーッ!」
ハリーが耳をそばたてた。
まだ何か聞こえるらしい・・・。
「誰かを殺すつもりだ!」
そう叫ぶなり、ハリーはとロンとハーマオニーの当惑した顔を無視して
三階への階段を駆け上がった。とロンとハーマオニーは息せき切ってハリーの
後について回った。角を曲がり、最後の誰もいない廊下に出てきた時ハリーは動くのをやめた。
「ハリー、いったいこれはどういうことだい?」
ロンが額の汗を拭いながら聞いた。
「私たちには----さっぱり・・・・」
も息を切らして言った。
しかし、ハーマオニーの方は、ハッと息を呑んで廊下の隅を指差した。
「見て!」
向こうの壁に何かが光っていた。四人は暗がりに目を凝らしながらそーっと近づいた。
窓と窓の間の壁に、高さ三十センチほどの文字が塗りつけられ、松明に照らされて
チラチラと鈍い光を放っていた。
秘密の部屋は開かれたり
継承者の敵は気をつけよ
「・・・・・秘密の・・・・・・・部屋・・・・・・・」
が一歩下がって呟く。
(ウソ・・・でしょ・・・なんで・・・・よ)
心臓の音が早くなり、冷や汗が出た。
(どうし・・・て・・・?)
ハリーが床の大きな水溜りに滑りそうになりながらも、文字の下の暗い影に近寄った。
そして・・・一瞬にしてそれが何なのか四人とも分かった。途端に四人はのけぞるように
飛びのき、水溜りの水を跳ね上げた。
それは、板のように硬直している管理人の飼い猫、ミセス・ノリスだ。
「ここを離れよう」
ロンが言った。
「でも・・・助けてあげるべきじゃないかな・・・」
ハリーが戸惑いながら言った。
「ロンの言うとおりだわ、ここにいるところを見られない方がいいから」
まだ心臓がドクドクしているが言ったが・・・すでに遅かった。
パーティーが終わり生徒達が廊下にワッと現れた。
前の方にいた生徒がぶら下がった猫を見つけた途端、おしゃべりも、さざめきも、
ガヤガヤも突然消えた。その傍らでハリー、ロン、、ハーマオニーは廊下の
真ん中にポツンと取り残されていた。
やおら、静けさを破って聞きなれた声が叫んだ。
「継承者の敵よ気をつけよ!次はお前達の番だぞ、「穢れた血」め!」
ドラコ・マルフォイだった。
マルフォイは、ぶら下がったままピクリともしない猫を見てニヤッと笑った。
「なんだ、なんだ?何事だ?」
マルフォイの大声に引き寄せられたに違いない。
アーガス・フィルチが方で人ごみを押し分けてやってきた。
そして、ミセス・ノリスを見た途端、フィルチは金切り声で叫んだ。
「わたしの猫だ!お前だな!お前が殺したんだ!」
とハリーを見ながら指差した。
「アーガス!」
ダンブルドアが他に数人の先生を従えて現場に到着した。
そして、すばやくハリー、ロン、、ハーマオニーの脇を通り抜け
ダンブルドアは、ミセス・ノリスを松明の腕木からはずした。
「アーガス、一緒に来なさい。ポッター君、ウィーズリー君、さん、
グレンジャーさん。君たちもおいで」
ダンブルドアが呼びかけた。
そして、ダンブルドアとハリー、ロン、、ハーマオニーとフィルチとマクゴナガル
先生とスネイプ先生とロックハート先生が、ロックハートの部屋に向かった。
部屋に入ると、ダンブルドアはミセス・ノリスを調べ始め、たちは灯りの届かない
ところでぐったりと椅子に座り込みそれを見つめた。
数分後・・・ダンブルドアがようやく体を起こし優しく言った。
「アーガス、猫は死んでおらんよ」
「死んでいない?」
フィルチが声を詰まらせ、ミセス・ノリスを見た。
「石になっただけじゃ・・・しかし、どうしてそうなったか、わしに答えられん」
フィルチがハリーを見ながら抗議した。
「あいつがやったんだ!わたしが「スクイブ」だと知って!」と。
は、椅子に座りながら下を向き考えていた。
(どうして・・・・秘密の部屋が・・・・?・・・・胸騒ぎがするわ・・・・)
その中、
「校長、一言よろしいですかな」
と影の中からスネイプの声がした。
は、また何か言うのかとスネイプを睨んだが・・・
「ポッターもその仲間も、単に間が悪くその場に居合わせただけかもしれませんな」
スネイプは口元をかすかに歪めて冷笑していた。
「とはいえ、一連に疑わしい状況が存在します。だいたい連中は何故三階の廊下にいたのか?
なぜ四人はハロウィーンのパーティーにいなかったのか?」
四人はいっせいに「絶命日パーティー」の説明を始めた。
「ゴーストが証言してくれます・・・」
「それでは、そのあとパーティーに来なかったのはなぜかね?」
スネイプの暗い目が、ろうそくの灯りでギラリと輝いた。
「それは----つまり-----」
ハリーが焦った。
「・・・私が落し物をしたんので、三人に探すのを手伝ってもらっていたんです・・・」
がポケットからリボンを取り出しスネイプに見せた。
「疑わしきは罰せずじゃよ、セブルス」
スネイプはひどく憤慨し、フィルチも金切り声をあげた。
その様子を見たは口の端を上げ笑いをこらえた。
「帰ってよろしい」
ダンブルドアがスネイプとフィルチをおさえ、ハリー、ロン、、ハーマオニーに言った。
四人は走りこそしなかったが、その一歩手前の早足で、出来る限り急いでその場を去った。
そして、上の階まで上がり誰もいない教室に入るとそっとドアを閉めた。
「あの声のこと、僕、皆に話した方が良かったと思う?」
「いいえ」
がきっぱり言った。
「誰にも聞こえない声が聞こえるのは、魔法界じゃヤバイのよ・・・」
「君たちは僕のこと信じてくれるよね?」
「「「もちろん」」」
「でも・・・気味悪いよ・・・「秘密の部屋は開かれたり」・・・これどういう意味なんだろう?」
「・・・・・・・」
は黙った。
(まだ・・・あの話をするわけには・・・いかないわ・・・それに・・・確信じゃないし・・・・)
「それに、出来損ないのスクイブって一体何?」
これにはもロンと一緒に笑った。
その後、スクイブとは何かをハリーに話してあげた。
(もちろんは知ってましたがv)
どこかで時計の鐘が鳴った。
「午前零時だ」
ハリーが言った。
「早くベッドに戻らなくちゃ。セブ・・・じゃなくてスネイプがきて、
別のことでグチグチ言われないうちにね」
(あぁ・・・危うくセブルスなんてファーストネームで呼びそうだったわ
・・・バレてなきゃいいけど・・・)
つづく
◆後書き◆
やっとここまでこれましたよ〜;
そして・・・セブルスとの対立その1v
書いてて楽しいわ〜この二人の会話(一人で何を言っている)
ますます分かんなくなる話だ・・・・・・・・(涙)
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