「行ってきまーす」


今日も私は並盛中に通うため、家を出る。


「はぁー・・・今日は理数と歴史の授業ばっか;つまんないなぁー」


「なら俺に面白い案があるぞ」


ため息をついている私の肩からいきなり声がした。


「リボーン!?」


「チャオッス、


いつの間に私の肩に乗ったのか、リボーンがいた。
一見は赤ん坊だが凄腕のヒットマンである。
まぁ、神出鬼没はいつものことなのであまり気にしない。


「チャオ。で?面白い案って何?」


「ツナの観察をすることだ」


「ツナの観察?」


「スパイの能力が付くぞ」


マフィアには必要な能力だぞ、とリボーン。


「スパイかよ;でもまぁ、面白そうだからやってみよ」


「健闘を祈るぞ」


言うだけ言ってリボーンはまた何処かへ消えた。


「全くリボーンはいつも唐突だね」


まぁ、今日はとっても暇なのでリボーンの言う通り
沢田綱吉観察日記でも付けてみたいと思います。





沢田綱吉観察日記





リボーンと別れてから数分後。
早速ターゲットである沢田綱吉を発見。
何だかんだ言って私の幼馴染である。
その横には同じクラスで友達の山本武と獄寺隼人。
武の天然っぷりと隼人のツナに対する忠実っぷりは普段見ていて面白い。


おっと、そうこうしているうちに並中に到着。
教室で今会ったばかりですと言わんばかりに「おはよう」の挨拶をする。
そしてHRも何事もなく終わる。
クラスではツナと席が隣同士なので、遠慮なく観察できるのが幸いだ。


授業が始ると早速教師に当てられるツナ。
アタフタしているツナに後ろからこっそり
「10代目、答えは3です」と教えている隼人。
いつも見慣れている光景だ。


周りからはずっとダメツナと言われてきたツナ。
でも、リボーンが来てからツナは変わった。
クラスにも馴染んでるし、マフィアやらボンゴレに関わって誰よりも成長している。
かという私もそれに巻き込まれながら成長している。
偶に見せる強い意志にドキリとさせられることもある。



ずっと幼馴染だと思ってたんだけど・・・最近はちょっと意識しちゃうんだよね。



チラリと隣のツナを見る。
するとバッチリ目が合ってしまった。


「何だよ?」


「別にー」


教師に聞こえない様に小声で話す私たち。


何だよそれ、とツナは苦笑して再び黒板に目を戻した。



あら、ちゃんと授業受けてるんだね。
あっ、そっか、ツナは補習組なんだよね。



私が再び前を向くと、ちょうど終了のチャイムが鳴った。





「今日も屋上で良いよね?」


「オッケー」


いつも昼食は私とツナと隼人と武と屋上で食べている。
大体は隼人か武が先に屋上に行って場所確保をしてくれる。
今日もそうだった。


私とツナはそんなに急がずに教室を出て屋上へ向かった。


「ねぇツナ、試作品作ったんだけど食べてくれない?」


「俺は実験台かよっ」


やっぱりツナはツッコミ担当である。


「だってツナって結構はっきり感想言ってくれるから
改良しがいがあるっーーっ」


笑いながら階段を登っていた私だが、
下に注意していなかったのか、間違って1歩踏み外してしまった。


落ちるっ!と思った瞬間、
パシッと私の手を掴む音がした。


「何やってるんだよ!まったく、ちゃんと下も注意しなきゃいけないだろ」


「あっありがとう。あぁー吃驚した」


「こっちが吃驚したよ」


ったくもー、と軽く怒ってくるツナ。
そして怪我無くて良かった、と安心してくれるツナ。




昔は私に守られていたダメツナも今は逆に私を守ってくれる。
そんな貴方がカッコイイ、なんて思ったりして。




















◆アトガキ◆
たまに頼りがいがあるツっ君夢(笑)
私、ダメツナも死ぬ気モードもスレツナも好きなんです。
何か学生時代に戻りたい。










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