〜吸魂鬼〜
9月1日の朝、とウィーズリー家とハリーとハーマオニーは
そろってキングズ・クロス駅の9と3/4番線にいた。
出発するまで20分も余裕があったが、ハリーがアーサーと話していたので
乗り込んだのはギリギリだった。
汽車がスピードを上げ始めた時、ハリーは話したいことがあると言った。
ハリー、ロン、ハーマイオニー、は誰もいない最後尾のコンパートメント
に入った。そこには、男が一人、窓際の席でぐっすり眠っているだけだった。
「あぁ〜〜!!んぐっ!」
突然、男を指差して大声を出してを、急いでハーマイオニーが抑えた。
「!この人が起きちゃうでしょ!」
「フォ・・・フォメン・・・」
静かになったを、ハーマイオニーが放してあげた。
の声にビックリして、耳を塞いでいたハリーとロンも手を離した。
「この人、誰だと思う?」
4人が落ち着いたところで、窓から一番遠い席を取り
引き戸を閉め、ロンが聞いてきた。
「ルーピン先生」
ハーマイオニーがすぐに答えた。
「どうして知ってるんだ?」
「カバンに書いてあるわ」
ハーマイオニーは男の頭の上にある荷物棚を指差した。
「は?さっき驚いていたけど・・・この人知ってる?」
ギクッ
「あはは・・・知人に似てたからビクッリしただけよ」
苦笑して誤魔化す。
(((それにしちゃ〜〜〜ものすごく驚いていたけど・・・)))
「ところで・・・・・・なんの話なんだい?」
ロンが言うと、ハリーが話し始めた。
ウィーズリー夫妻の言い合いのこと、今しがたアーサーが警告したことを全部話した。
聞き終わると、ロンは愕然としていたし、ハーマイオニーは両手で口を押さえていた。
は、顔をしかめていた。話の内容もそうなのだが、さっきからハリーちらちら
を見ていたのが気になった。
1時までは、ほとんどシリウス・ブラックの話とホグズミードの話だった。
途中、マルフォイとおまけが来て、騒ぎになるところだったが、ルーピン先生が
いてくれたおかげで心配なかった。
「もう着くころだ」
雨風が激しさを増し、だんだん汽車の速度が落ち始めた時に
ロンが窓の外を見て言った。
「まだ着かないはずよ」
ハーマイオニーが時計を見ながら言った。
「じゃぁ、なんで止まるのよ?」
汽車は速度を落とし、やがてガクンと止まった。
そして、なんの前触れも無く、明かりがいっせいに消え
あたりが急に真っ暗になった。
「いったい何が起こったんだ?」
ハリーの後ろでロンの声がした。
「イタッ!」
ハーマオニーが呻いた。
「ちょっ!ハリー!どこ触ってんのよ!」
ベシッ!
暗くてもしっかりハリーを叩いている。
目も少しだけ慣れるようになった頃、ネビルとジニーも入ってきて
パニック状態だった。
「静かに!」
突然しわがれた声がした。
「リッ、リーマス?」
ルーピン先生の声にすぐ反応したのは、だった。
「、悪いけど君も灯りをつけて。皆は動かないで」
ルーピン先生は、手の平いっぱいに炎を持ち、鋭く言った。
「分かった・・・ルーモス光よ」
は立ち上がり、灯りをつけた。
2人がドアに辿りつく前に、ドアがゆっくりと開いた。
「・・・吸魂鬼?冗談きついわ・・・」
入り口に立っていたのは、マントを着た、天井まで届きそうな黒い影。
は体が凍っていくのを感じた。
またあの記憶が蘇ってきそうだった。
暗い・・・何も守れなく・・・罪悪感だけ残った・・・悲しい記憶を・・・
「」
倒れそうなをリーマスが引き戻した。
「ゴメン・・・とにかく帰ってもらわなくちゃ」
その言葉を合図に、2人は杖を吸魂鬼に向け呪文を唱えた。
「ハリー!ハリー!しっかりして」
ハーマオニーがハリーをベチベチ叩いて起こした。(ベチベチって)
ハリーの顔色は悪く冷や汗が流れていた。
「食べるといい。気分がよくなるから」
パキッとチョコを割り、ルーピン先生は皆に渡した。
は部屋が明るくなってから、力が抜けたように座り込み、
息も上がっていた。しかし、チョコを食べると、いくらか元気が出た。
「あれは何だったんですか?」
ハリーがルーピン先生に聞いた。
「ディメンター、吸魂鬼だ」
ルーピン先生はそっけなく言った。
「わたしは運転手と話してこなければ。失礼・・・」
ルーピン先生は、そう言って通路へと消えた。
「私もちょっと行ってくる・・・」
ルーピン先生の後を追いかけて、も出て行った。
残された皆は、とルーピンの関係とハリーが何故
座席から落ちたのかを話していた。
一方、問題のとルーピン先生は・・・
「大丈夫かい?無理させたね・・・」
「うぅん・・・大丈夫。しょうがないもの・・・それにチョコ食べたし」
通路を歩きながら話していた。
「それにしても、あの頃と同じ格好だね。ビックリしたよ」
「そりゃねっ。・・・私だって驚いたわよ、リーマスが先生だなんて!」
は、残りのチョコを頬張った。
「セブルスには・・・ものすごく反対されたけどね・・・」
「やっぱり・・・ね;まっ、これからはルーピン先生vって呼ばなくちゃね」
「何か変な感じだ」
くすくす2人で笑った。
しかし・・・お互いシリウスのことについては話さなかった。
つづく
◆後書き◆
はい、会っちゃいましたv
良いなぁ〜ルーピン先生vあんな先生に教わりたかったよ(涙)
ハリーがさり気な〜く変態になってしまった(別に黒でも良いのさっ/逝け)
次の話は・・・セブルスがまだ夏休みの事を恨んでる〜。
・・・のような話を書けたら・・・
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