〜ロマン飛行〜
7月31日。
静かになったプリペッド道り。
下にいるダーズリー一家が寝静まったのを確認したハリーは、
たった今ヘドウィグが届けてくれたいくつかの包みを開けはじめた。
親友のロンとハーマイオニーから。
名付け親のシリウスに先生だったリーマスから。
ホグワーツのハグリッドやダンブルドアから。
おまけに新学期の教科書リスト。
どれも素晴らしい誕生日プレゼントだった。
ハリーが最後に手にしたのは自分の愛しい彼女であるからの手紙。
だけ包みではなく手紙だったが、ハリーは気にしないで封を開けた。
『星が綺麗だよ』
手紙にはその一言しか書いてなかった。
ハリーは何のことか全く分からなかった。
その時、誰かが部屋の窓を叩く音が聞こえた気がして
ハリーはそっと窓を開け、外を見た。
「あっ」
ふと空を見上げたハリーは思わず声を出した。
空には満天の星。プリペッド通りの静寂がそれをいっそう惹きたてていた。
「ねっ、綺麗でしょ」
感動しているハリーをよそに、どこからともなく声が聞こえた。
ハリーはきょろきょろと回りを見ると、ここは2階なのに目の前に少女が1人現れた。
「!」
そこにはハリーの彼女であるがいたのだ。
もちろん箒に乗っている。今まで見えなかったのは透明マントを被っていたらしい。
「なんでーーー」
「アクシオ・ファイアボルト」
問いかけるハリーを遮りはハリーの箒を呼び寄せた。
すっぽりとその手にファイアボルトがおさまる。
「どう?彼女と2人でロマン飛行なんて」
クスクス笑いながらその箒をハリーの前に差し出す。
「良いね」
突然のの行動に最初は驚いていたハリーもニヤリと笑い、
そっと部屋を抜け出しファイアボルトに跨った。
「透明マントなくて大丈夫かな」
ここは空の上。先ほど変わらない静寂の中、心地よい風を感じながら
ハリーとはのんびりと箒で飛ぶ事を楽しんでいた。
「大丈夫よ。こんなに高く飛んでるから」
は満天の星に手を伸ばそうとする。
「そうだね、こんなに星が近いし」
ハリーもの真似をすると、お互い笑いあった。
「そうそう、ハリー」
「何?」
「ハッピー・バースデー!」
は小さな包みをハリーに渡す。
一瞬目を見開いたハリーだがーーー
「ありがとう」
そう言っての頬にキスをした。
END
◆後書き◆
ハリー誕生日夢書いてしまいました。
連載と似たようなテイストになってしまいましたが;
私的にヒロインさんがハリーを誘うセリフを書きたくて(笑)
そうそう、恋人同士なのにホッペにチューなの?
なんてツッコミたくても暗黙の了解ということで(笑)
えー、改めて「ハリー誕生日おめでとう!」
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