ソレハ流レル 天ノ川ノヨウニ 〜七夕の夜に〜 「五色の〜短冊〜私が書いた〜♪」 「何の歌?」 窓際の席を占領している。 その想い人をハリーは目で追っていたが 聞きなれない歌を耳にして、つい声を掛けてしまった。 「あっ、ハリー」 葉っぱが付いている木の様なものには折り紙を飾り付けている。 この行事がない、ここ、ホグワーツでは、の行動は不審なものだろう。 「今日は7月7日、七夕だよ」 さっきから皆に聞かれてる、とは笑いながら答える。 「タナバタ?」 「そっ。さっきの歌も今作っている物も七夕の準備なの」 ハリーはの隣に座ると、の作っている物を見た。 「七夕って何するの?」 「七夕はね〜。あっほら、あそこに2つの星が見えるでしょ?」 は窓から見える星空の中から2つの星を指差した。 「昔ね、東の方に織姫って言う機織が上手な人がいて 毎日一生懸命機を織ってたの。」 話し始めたをハリーは静かに見た。 「ある日織姫の王様がお前は一生懸命働いている。 そろそろ誰かと結婚しないか、って言ったの。 それでね、西の方にいる牛使いの彦星と結婚したの。」 「いいね」 「でもね」 そこでは一回言葉を切った。 「2人は毎日毎日イチャイチャしててね。織姫は機を織らなくなっちゃったし、 彦星は牛の世話をしなくなったの。そんな2人に怒った王様は2人を離れ離れにしたの。 それで、年に1度だけ会う事を許したの。それが今日ってわけ」 「悲しい話だね」 「まぁね、1年に1回しか会えないものね」 苦笑しながらは1枚の短冊をハリーに渡した。 「これは?」 「短冊って言って、七夕の日に、この笹の竹に願い事を書いた 短冊を吊るすと願い事を叶えてくれるって言われているの」 だからハリーも書いて、と言っては羽根ペンを渡した。 「分かった。これは・・・皆の短冊?」 「そう。さっき皆にお願いして書いてもらったの」 の横にさっきからある笹の竹には既に何枚もの短冊が吊るされている。 「これは・・・『この世から蜘蛛が一匹もいなくなりますように。 ロン・ウィーズリー』」 「ロンらしいね」 ハリーは笑いながら自分の短冊を書き始めた。 「そういえば・・・の願い事は?」 「ん?内緒」 笑顔で答える。即答かよ。 「よしっ、できた」 ハリーは羽根ペンを置いた。 「ハリーの願い事は?」 「秘密だよ」 こちらも笑って即答。 「ぶ〜」 予想通りの反応には頬を膨らます。 と、そこへフレッドとジョージの双子がやって来た。 「「姫、準備できたよ!」」 「あっ、ありがとう」 返事をしたは材料を片付け竹を持った。 「準備って何の?」 「これから皆で七夕パーティーするのvハリーも一緒にね」 「うん」 そう言ってハリーは自分の短冊をポケットにこっそり入れた。 「〜ハリー〜早く!」 向こうのテーブルでハーマイオニーが呼んでいる。 「「今行く!」」 とハリーは急いで皆の待つテーブルに向かった。 2人が短冊に書いた願いは誰も知らないーーー 2人が同じ願い事を書いたなんて誰も知らないーーー もう少しだけ秘密のままでいても良いよねーーー 1年に1回しか会えない訳じゃないんだからさーーー 織姫と彦星のようにーーー END ◆後書き◆ はい・・・書くのにあたって改めて七夕の話知りました。 戻る |