〜クリスマスプレゼント〜




世間はクリスマス一色。
楽しそうにツリーに飾りつけをしている家庭が多くなるこの頃。

そんな中、家の庭では一面の銀世界に、はしゃぐ声が響いている。
悪戯仕掛け人と一緒に雪遊びをしているだ。



は今年、サンタさんに何をお願いするんだい?」


三段積みの雪ダルマを作っているジェームズが聞いた。


「うーんとね・・・」

まだ5歳になったばかりのが冷たい雪を掴みながら唸った。


「その前に良い子にしてないとサンタさん来ねぇーぞ」


ニヤリと笑いちゃちゃを入れるのはシリウス。


いい子にしてるもん!」


は良い子だもんね。サンタさんはきっとのお願い聞いてくれるよ」


頬を膨らませ怒るをリーマスは爽やかな笑顔でなだめた。


「えへへ♪でも何をおねがいしよう・・・」


悩むにシリウスはとんでもない発言をした。


「よし、!俺のお嫁さんになりたいってお願いしたらどうだ?」


「シリウスのおよめさん?」


「シリウス!何を言い出すんだ!」


それまでテラスで見守っていた父・が突然悲鳴を上げた。
そのせいで、飲んでいた紅茶をこぼしてしまった。


「およめさんってなーに?」


知らない単語にが聞き返す。


「そうだなーお嫁さんっていうのは、とずーっと一緒にいられるんだ」


シリウスはの目線までしゃがみ、面白そうに笑う。
実際は、向こうでアタフタしているの様子が面白いのだが。


「ずーっと?いっしょに遊べるの?」


目を輝かせ聞いてくるにシリウスは頷いた。


「あぁ」


、シリウスのおよめさんになる!」


何かを決めたかのようにが言った。



!頼むからやめてくれ」



の言葉にが止めを刺されたようにフラついた。


「シリウス・・・いくらなんでも歳が離れすぎだよ」


「ロリコンカップルだね」


それまで黙っていたリーマスとピーターが呆れながら口を挟む。



「良いんだよ。なぁー?」


「ねーv」



シリウスがを抱っこしながら言った。
当のも無邪気に笑っている。


、こんなヘタレじゃなくて僕のお嫁さんになってよ」


「ジェームズのおよめさんもいいよ!」


さり気なくジェームズがシリウスの頭に大量の雪を
落としながらに誘いかけた。
その誘いに何の疑いも無く返事をする



「あぁ・・・僕のが・・・」



勝手に話を進められている中、は泣き崩れている。
ハンカチ片手にの赤ちゃんの頃の写真まで
見ているからかなりの重症だ。


「今からそんな親バカじゃ、これからが大変だね」


そんなを見て苦笑いを隠せないリーマスだった。
その時、リビングからとリリーの声が聞こえた。






「貴方達ー!そろそろ買い物行くわよ!」


「クリスマスは明日なんだから、早く買い物行かないと!」


コートまで着て準備万端な二人に、
は掴んでいた雪を払い、駆け寄った。



「ママー!ね、シリウスのおよめさんになるの!」



笑って話すの言葉を聞いて、今度はがビックリした。



「シリウスのお嫁さんですって!?」


「シリウス・・・貴方またに変な事吹き込んで」



呆れたリリーがシリウスを睨みつける。


「別に吹き込んだわけじゃー」


「さぁ、。ヘタレとお馬鹿さん達はほっといてお買い物行きましょ」


とリリーはシリウスの弁解を聞かず、にコートを着せた。
そしてチラリと男どもを見てからにウインクした。


「クリスマスケーキを買うわよ」


「ケーキ!やったー!」


ケーキと聞き、嬉しそうに飛び跳ねる
そしてケーキに負けた哀れなシリウス達。


リーマスとピーターは、ただただ苦笑を隠せないでいた。






「結局はサンタさんに何をお願いするの?」


クリスマスで賑わうダイヤゴン横丁のレンガ道を
とリリーが仲良く手を繋いで歩いている。


「あっ、シリウスのお嫁さんはダメよ」


「うーん・・・とね」


とリリーの問いに、は少し考えてから笑顔で言った。





「パパとママとシリウスとジェームズとリーマスとピーターと
・・・あと、セブルスと、ずーっと一緒にいられますように!」





「「良いお願いね」」





の可愛いお願いにクスクス笑いながら
とリリーの声が重なった。










END










◆後書き◆
今回は、ヒロインが5歳設定で親が悪戯仕掛け人達の
先輩設定で書いてみました。
結構ヒロインの言葉遣いに悩みました(爆)
どのくらい幼児化すれば良いんだー!?
なんて本気で考えたり(笑)
最初なんて・・・「しりうしゅー?」って感じでしたから。









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