〜折れた心〜
あの後、どうやってホグワーツまで戻ってきたか、はっきり覚えていない。
ショックを受けているハリーと同じような状態のは、
夕食を食べに大広間に行くのを断り、1人自室に戻った。
「・・・」
シンと静まり返った部屋。
は一言も言葉を発せずに、
黙って自分のベッドに備え付けられている引き出しを開けた。
カタン
取り出したのは銀色の小箱。
はそっと小箱の蓋を開いた。
「・・・信じてないわけじゃない・・・」
小箱に入っていたのは1つの指輪。
卒業の時にシリウスから貰った婚約指輪。
「・・・でも・・・不安になるのよ・・・」
小箱を握り締めながら、は搾り出すような声で小さく呟く。
「貴方の口から言った言葉じゃないと不安になるのよっ!」
窓の外では、深々と雪が降っている。
「・・・私・・・いつからこんなに・・・」
空に浮かぶ月が悲しくを照らしている。
「弱くなっちゃったのかな」
いつの間にか溢れ落ちていた涙を見て
は酷く顔を歪めて自嘲気味に呟いた。
彼女の心に再び闇が侵食し始めた。
つづく
◆後書き◆
プチ間話です。
辛いっすね・・・。
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