「このヘタレバカ犬がぁぁぁー!!!!」
のハリセン攻撃に、部屋にいた全員が固まった。
〜真実の扉〜
「っ・・・」
そしてはキッと顔を上げシリウスを睨んだ。
その顔を見てシリウスは、はっとした。
の目に涙が溜まっていたのだ。
「・・・と思ってるのよ・・・・・・どれだけ心配したと思ってるのよ!」
「・・・」
その瞬間、シリウスはをぐいっと引き寄せ抱きしめた。
「悪かった・・・」
今にも泣きそうなを優しく抱きしめ、シリウスが言った。
お互いに優しい温もりが伝わる。
「許さないわよ」
が顔を上げて悪戯っぽく笑う。
そして次の瞬間とシリウスの唇が重なる。
「んっ・・・」
決して長くも深くもないキス。
だけど、確実に今までの欠けた時間を埋めるような熱い口づけ。
「ゲホンッゴホンッ!」
突如聞こえたリーマスの咳払い。
その音に、はっと我に返るとシリウス。
忘れてはいけない。
此処にはハリー達もいることを。
「あー2人とも・・・教育上良くないんだけど」
リーマスの言葉にバッと離れるとシリウス。
2人とも恥ずかしそうに顔を赤らめる。
周りを見ると、ハリー達まで呆然として心なしか顔が赤い。
「あははは・・・」
とりあえずは乾いた笑みで誤魔化す。
ハリー達はそこではっと我に返る。
「ちょっと待って!どういうことだよ!?」
「何で」
「どういうこと?」
「ちゃんと説明する!・・・ちゃんと説明するから」
3人からの叫びにが苦しそうに言う。
当たり前だ。
ハリー達から見れば、シリウスとは何の接点もない人物のはずなのだから。
混乱するのは当然だろう。
下手をしたら裏切り行為にもなりかねない。
はぁ、とは一度息を吐く。
「あっ、賭けはリーマスの勝ちだね」
リーマスをチラリと見てが言った。
「そんな賭けもしたね」
そう言えば、と思い出すリーマス。
「ちっ・・・俺が絶対勝つと思ったんだけど」
それを聞いて悔しそうな顔をするシリウス。
何の話だと首を傾げるハリー達に、は向き直った。
「そうね・・・シリウスとカレの話をする前に、私の話をした方が良いわね」
「おい・・・手短にしろよ。俺だってそんなに待てないんだ」
まだ拗ねているのか、シリウスが不貞腐れるように言った。
「分かってるわよ」
苦笑してが答える。
「最初にシリウスと私の関係について言っておくわ」
チラリとシリウスを見る。
「三本の箒で先生たちがシリウスの話してたのは覚えているわよね?」
「えぇ」
の問いにハーマイオニーが答える。
「その話の中で婚約者がどうのって言ってたでしょ?」
「そう言えば」
「でも誰のことを言っているのかさっぱりだった」
ハリーとロンが答える。
は一息入れて口を開いた。
「シリウスは私の婚約者よ」
・・・・・・・・・・・・・。
「「「婚約者ー!?」」」
「驚くのも無理ないね」
が伝えた事実は何よりもハリー達を驚かせた。
そのリアクションにリーマスが苦笑する。
「えっ、だ、だって」
「それじゃぁ、どう見ても」
「シリウス・ブラックが」
「「「ロリコンじゃん!」」」
開いた口が塞がらない状態のハリー達。
最後のツッコミにとリーマスが盛大に噴出した。
「「あはははは!!!!!」」
「ロリコンじゃねぇ!お前らも笑うな!」
笑うとリーマスを怒鳴るシリウス。
その姿は、何かもうこの人本当に囚人なのか状態である。
「でもやっぱりおかしいわ」
「ハーマイオニーの言いたいことは分かる」
落ち着きを取り戻したハーマイオニーを見て、は苦笑した。
「そうね・・・始まりは50年以上も前に遡るわ・・・」
皆から視線を外し、何処か遠くを見つめながらは話し出した。
つづく
◆後書き◆
ハリー達もいるのに何やってるの(キャッ)
いや、ハリー達がまだまだ青いのか?(ヲイ)
説明部分は本と違う感じにする予定です;
でも説明しにくいんですよね;
ちなみに「賭け」は・・・次にヒロインさんの秘密をばらすのはいつになるでしょう?
というのをジェームズ達と賭けてたんです。
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