優勝杯の余韻は少なくとも一週間続いた。
そして六月が近づき、蒸し暑い日々が続いた。
誰もが何もする気になれなかったが、そうもいかない。
地獄の学年末試験が迫っていたのだ。





〜試験と控訴の結果〜





(最終教科はリーマスのか・・・)



は自分の試験予定表に目をやる。
皆より一教科早く終わる
試験終了後リーマスの部屋を訪ねることに決めた。
隣ではハリーとロンがハーマイオニーの
ありえない試験予定表を問いただしている。


その時、ヘドウィグが嘴にメモを加えて飛んできた。


「ハグリッドからだ」


ハリーは急いでメモを開いた。もそちらを見る。


「バックビークの控訴裁判・・・六日に決まった」


「試験が終わる日だわ」


ハーマイオニーが教科書を探しながら言った。
手紙の続きによると、魔法省と死刑執行人がホグワーツに来るらしい。


「そんなこと、させるか!」


判決が決まっているような内容にロンが憤慨した。
しかし、は何か嫌な予感がしそうでたまらなかった。







そして地獄の試験週間が始った。
何回目か分からない試験をちゃくちゃくとこなしていく
反対に周りの皆は難しかった変身術や魔法薬学と
それなりに出来た呪文学や魔法生物飼育学とで、反応はまちまちだった。





そして試験最終日。
にとっては最終教科の、闇の魔術に対する防衛術の試験が終わった。
リーマスの出題した試験は、他と違って面白いものだった。
例えれば、戸外での障害物競走のようなもの。
最後は大きなトランクに入りこんでボガートと戦うというものだ。


「流石、満点だ」


トランクから出てきたを待っていたのは
微笑んでいるリーマスだった。


「結構面白かったわ」


「それは良かった」


正直に感想を述べると、リーマスは嬉しそうに言った。


「そうそう、後でお茶しない?私だけこれで試験終わりなのよ」


次のハリーが出てくるのを待っている間に
はリーマスに言った。


「いいよ」


リーマスがそう言った時、ちょうどよくハリーがトランクから出てきたのであった。
その後、ボガート扮するマクゴナガル先生から全科目落第を
言い渡されたハーマイオニーを落ち着かせるのには大変だった。


残った試験を受けに行く3人を見送り、
はリーマスの自室に足を運んだ。







「セブルスまだ根に持ってたわよ」


「試験難しかったのかい?」


「内容は難しくなかったけど・・・隣でずっと睨んでるから
変なプレッシャーでね・・・」


とリーマスは揃って苦笑した。


「そう言えば・・・今日だったねヒッポグリフの控訴」


ふと話題を変えるリーマス。


「えぇ・・・やれる限りのことはしたけど・・・。
悔しいのは今の私の立場じゃルシウスを押さえられないことね」


今日は何だか嫌な予感がするわ。


そう言っては紅茶を啜る。
その時コツンと窓を叩く音がした。
そこには一羽の梟。よれたメモを銜えている。


「噂をすれば控訴の結果ね」


は梟からメモを受け取り、自分とリーマスの間に広げた。
ハグリッドからのメモは、控訴に破れ日没に処刑されるという事だけだった。
筆跡からハグリッドがどんな思いをしているかは容易に分かった。



暫しの沈黙。



「行くね」


「多分・・・いえ絶対行くわね」


もちろんハリー達のことだ。
も着いて行くと言ったがリーマスに咎められた。


「僕らは様子を見よう。これもあるし」


リーマスは忍びの地図を取り出す。


「・・・分かった。でもいざとなったら私も黙ってないわよ」


そう言っては地図に目を落とした。
その一方で、ハリー達はハグリッドの所へ行く準備をしていた。


















つづく

















◆後書き◆
さぁ、いよいよ終盤に近づいてきましたっ。
どうなることやら・・・。











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