〜肝試し奮闘記〜







「ふふふ・・・・ふふふふふふ・・・・ふはははははは!」



暗闇で青白い光が漂っている中、1人の少女が怪しく笑っている。

はっきり言って、不気味な事この上ない。



「とうとうこの日が来たわ!日頃の恨み晴らしてくれるわ!」


既にキャラまで壊れている。

がこうなってしまった始まりは、
終了式の後に皆で夏休みの計画を立てていたときだった。








「で、夏休みどうしようか?」


「「遊ぶ」」


「それは分かったから!」


「具体的にだよ」


「ねぇーやっぱり肝試しー」


「僕もそれ賛成ー!面白そうだし」


「じゃぁ、今日やろ!」


「でも、この辺肝試しするような場所あったっけ?」


「ふふふ・・・よくぞ聞いてくれました!


?」


「実はね・・・この前見つけちゃったのよ!絶好の場所!」


「それどこ?」


「秘密」


「は?」


「今回は準備は全て私が用意するから」


「要するに」


「俺達怖がらせるのかよ」


「そういうことvあっ、リリーとハリー達にも手伝ってもらうからそのつもりでねー」


皆にウィンクして、リリーの手を引っぱって立ち上がると
ハリー!私のすんばらしい計画を聞いてくれー!
と叫びながらはリリーと共に部屋を出て行った。

残された者たちは呆れながらとリリーが出て行った後を見送った。
その時ジェームズだけ口の端を上げていたのは誰も気づいていない。








(日頃、私ばっかりからかわれているからそのお返しだぁー)


肝試しの舞台は、が偶然見つけた小さな森。
その辺を漂っている人魂やあちこちに隠れている
お化けは、全てが魔法や悪戯グッズで作った物。
流石悪戯仕掛け人だけあって、かなり本格的で怖い。
途中の道ではハリーやリリー、無理を言ってロンやハーマオニーにも
手伝ってもらいお化けに変装してもらっている。


「その森の奥に小さな小屋があるから、その小屋にある
蝋燭を無事に持って帰ってきたら完了だから。
私が行った1分後にスタートね!」


と簡単にルールだけをジェームズ達に言って、
スキップしながらは自分の持ち場である小屋に戻った。




そして1分経過。




「そんじゃ行きますか」


「あぁ」


「怖くないと良いなー」


ニヤリと笑い、ジェームズとシリウスとリーマスは不気味な森に入っていった。




そして、3人が森に入って数分が経った。




ぎゃー!




「なんてねv流石。結構怖いじゃないか」


「ジェームズ・・・台詞と違って楽しそうだぞ」


「あはは、そうかい?」


「でも、ハリー達も意外に怖かったね」


ここまで来る途中に、リリーとハリー達3人に会ったが
流石にが力入れるだけあって迫力があった。


「いや〜リリーなんてお化けでも可愛かったもんな〜」


「「はいはい」」


ときめくジェームズをスルーしてシリウスとリーマスは先に進んだ。
そして、そうこうしているうちに目的の小屋に着いた。
静かにひっそり建っている小屋は、外から見ても不気味だった。


「あっ、着いた」


「意外に簡単にだったな」


「分かんないよ〜肝心のがまだ出てきてないからね」


ニヤリとジェームズが笑い扉に手を掛けた。



キーッ



古びた小屋の戸を押し開け、3人は静かに中へ入っていった。
部屋の真ん中にはテーブルがあり、
その上にはが言っていた蝋燭が1本置いてあった。
暫くの間、3人は辺りを警戒していたが、何も起きなかった。



「ったく、の奴」


安心したシリウスが蝋燭を持ちさぁ帰ろうとした時ーーー何か音がした。



ヒタッ



まぎれもなく小屋の中からだった。



ヒタッ



なおも奇妙な音は小屋の中から消えない。



「おい今更・・・だろ?」



ヒタッ



シリウスが辺りに声を掛けるが、聞こえるのは不気味な音だけ。



「・・・って・・・・・・・・・・・待っ・・・・・・・・・・て」



その時女らしき声が聞こえ、3人の前に白いモヤが現れた。
そのモヤは部屋の中を浮いていて、どんどん3人に近づいている。



「・・・待って・・・・・・・待って・・・・・・・・・ねぇ・・・・・・」



モヤはどんどんはっきりしてきて、それは白い服を着た女だった。
その時俯いていた女がバッと顔を上げーーー




「待てぇ〜!!!」




「わぁ〜!!!!」




しかし・・・驚いたのはシリウスだけではなかった




「きゃ〜!!!!!」




浮いていた女・・・もといまで驚いてしまったのだ。



そう・・・は見てしまったのだ・・・



驚いているシリウスの隣に居る
ジェームズとリーマスの顔が真っ白なのを!




「ぷっ、あははは」


「引っかかったね、!」



顔が真っ白だったジェームズとリーマスは
顔を持っていたタオルで拭くと、顔がもとに戻した。



「なっ!」


「なっ!何だよお前ら!」




「いや〜かなりの絶叫を有難う」


「シリウスに黙っておいて良かったね」



あははと笑うジェームズとリーマス。
全て作戦だったということに気づいたとシリウスは
沸々と湧く怒りに顔を真っ赤にした。



「なっ何よ騙したわね〜!」


「お前ら!俺に黙ってそういうことやるなよ!」



「あはは、ゴメンゴメン」


を怖がらせ返そうと思ってね」


「シリウスは芝居下手だから、黙ってたんだ」



ジェームズとリーマスは怒る2人を宥めながら言った。


「芝居下手って何だよ!」


「もぅ〜!日頃の恨みを晴らそうと思ってたのに〜!悔しいー!」


は着ていた白い衣装を脱ぎ、私服に戻った。



「まぁまぁ、お詫びに皆で花火大会しようじゃないか!」


「特製の花火セット用意したからさ」



ニヤリと笑うジェームズとリーマスに
花火大会と言う誘惑が付いて、とシリウスは顔を見合わせた。



「「ぷっ、やってやろうじゃん」」





「皆ー花火大会やろー!」






森から出る際に、お化け役を頑張ってくれたリリーとハリー達
と合流して、散々ジェームズとリーマスにとシリウスの
ビックリ顔のことをからかいながら森を出た。


この後とシリウスが共謀してジェームズとリーマスに
悪戯仕掛け人手製の何処までも追いかけるねずみ花火を
お見舞いしたのは言うまでも無い。








END










◆後書き◆
肝試しなんて・・・絶対嫌だぁ〜!(何)










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