「あいつは癇癪持ちだねぇ。あのシリウス・ブラックは」




ハロウィーンパーティーが終わり、達4人はグリフィンドールに戻った。
しかし、太った婦人の肖像画に繋がる廊下まで来ると
生徒がすし詰め状態になっていた。



どうしたのだろうと騒いでいると、パーシーの叫ぶ声が聞こえ
先生方が駆けつけてきた。



そこでピーブズが言ったあの言葉を聞いたのだ。



(・・・シリウス・・・嘘でしょ・・・?)



は当惑した顔で、その場に立ちすくんだ。








〜感傷〜








ダンブルドア校長は生徒全員に大広間に戻るように言った。



「先生たち全員で、城の中を隈なく捜索せねばならん」



マクゴナガル先生とフリットウィック先生が大広間の戸という戸を
全部締め切っている間、ダンブルドアがそう告げた。



「ということは気の毒じゃが、皆、今夜はここに泊まることになるのう。
みんなの安全のためじゃ。何か不審なことがあれば、ただちにわしに知らせるように」



ダンブルドアはそう言うと、ハラリと杖を振り大広間にある
長いテーブルを片付け寝袋を出した。



皆が寝袋を持って寝る場所を確保している時、



・・・ちょっといいかの?」



とダンブルドアがを呼び止めた。



「あっはい。・・・私の寝袋宜しくね」



とハリーたちに寝袋を渡し、ダンブルドアの所へ行った。



先生方全員ととダンブルドアは大広間を出て廊下に居た。
ダンブルドアが先生方に指示を出し、先生方がばらばらに
行動するのを見送った後、と何故か残っているセブルスに向き直った。



、人手が足らんのでのう、君もセブルスと見回りに行ってくれぬかね?」



とセブルスは一瞬固まった。





「「なんでこいつと!?」」





そして珍しくとセブルスの声がハモった。



「まぁ、なんとなくじゃ。よいか、城中隈なく探すように」



それだけ言うとダンブルドアも見回りに行ってしまった。




「「・・・・・・」」




暫くの間2人は黙っていたが
「行くぞ」と言ってセブルスは諦めて歩き始めた。



「分かってるわよ。っていうか私を置いて行ったらただじゃおかないからね!」



仕方なくセブルスの後についても歩き始めた。








ここはホグワーツ4階。暗い廊下をセブルスがランプを持ってと歩いていた。
お互いに口を聞かず、辺りに目を光らせているだけだった。




(本当にシリウスなのかな・・・でもあんな事しなくたって・・・)




「そろそろ言ったらどうなんだ?」




は前触れもなく止まり振り向いたセブルスに案の定思いっきりぶつかった。




「いたっ・・・何を?」




訳が分からなく鼻を押さえながらが聞いた。



「貴様がルーピンと絡んでブラックを手引きしたのだろう?」



「は?何言ってるのよ・・・私がそんな事するわけないでしょ?
それにリーマスだってそんなことしないわ」



突然何を言い出すのか、そう思いながら
は少し怒り気味にセブルスに言った。







「ふんっ、どうだかな。貴様としては婚約者を助けないわけーーー」





「いい加減にして!」





暗い夜の廊下にの怒鳴り声が響いた。



「婚約者だから何?大体シリウスは無実よ?裏切るはずがないわ!」





ドンッ





鈍い音がした。
セブルスがを壁に押したからだ。
それと同時にの肩にピリッと痛みが走った。





「いつまでも綺麗事を言うもんじゃない」





そう吐き捨てたセブルスの表情からは何も読み取れなかった。
ただ冷たくを睨みつけていた。




「セブ・・・・ルス?」




「もう・・・昔じゃないんだ」




そう言ってを離した。






「過ぎた時間は戻せないことくらい分かってるわよ・・・」






黙って歩き始めたセブルスの背中を見ながら
は辛そうに呟いた。








皆が寝静まった明け方、とセブルスは大広間に戻ってきた。
そこでパーシーと話しているダンブルドアを見つけた。



「校長先生」



が皆を起こさないように静かに言った。
パーシーはがいることに吃驚したがダンブルドアが
行ってよい、と言うとその場を離れていった。



「4階は隈なく捜しました。ヤツはおりません」



「天文台の塔はどうかね?ふくろう小屋は?」



「すべて捜しました・・・」



セブルスに続いても口を開いた。



「2人ともご苦労じゃった。わしもブラックがいつまでも
グズグズ残っているとは思っておらなかった」



「校長、ヤツがどうやって入ったか、何か思い当たることがおありですか?」



セブルスの言葉にが止めようとしたが
先にダンブルドアが口を開いた。



「セブルス、いろいろとあるが、どれもこれもありえない事でな」



「校長、先日の我々の会話を覚えておいででしょうな。
確か---あ---一学期の始まった時の」



セブルスがそう言った瞬間、はセブルスのローブを
クィと引っ張った。



「いかにも」



ダンブルドアはとセブルスを交互に見て答えた。
その言い方に警告めいた響きがあった。



「どうも---内部の者の手引きなしには、ブラックが本校に入るのは---
ほとんど不可能かと。我輩はしかとご忠告申し上げました。校長が---」




「セブルス!」




は自分を睨んでいるセブルスに向かって小声ではあるが負けじと言った。



「この城の内部の者がブラックの手引きをしたとは、わしは考えておらん」



ダンブルドアはセブルスにきっぱり言い、を見て微かに微笑んだ。



「わしはディメンターに会いに行かなければならん。
捜索が終わったら知らせると言ってあるのでな」



と言って、ダンブルドアは早足にそっと大広間を出て行った。





「バカ」





ダンブルドアが出て行ったのを見送ってから、はセブルスを睨みつけた。
そして静かにその場を去り、ハリー達が寝ている寝袋に向かった。







つづく










◆アトガキ◆
途中のセブの絡みが書きたかった・・・っていう話。。。
どうしよっか・・・ハリー盗み聞きしてたんですよね?(悩)













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