悩み事が増えると時が過ぎるのが早く感じてしまう。
あっという間に今日はクリスマス。





〜送り主不明〜





「今年も大量ね」


朝起きて見る枕元。
毎年のクリスマスプレゼントの量は普通ではない。



(貰うのは嬉しいけど逆に送る人が増えて大変なのよね;)



そう思いながら、は手近にあったプレゼントに手を掛けた。


バタンッ!


ちょうどその時ハーマイオニーがクルックシャンクスと共に部屋に入ってきた。
心なしか少し怒っている。


「メリークリスマス、ハーマイオニー」


「メリークリスマス、


ハーマイオニーはクルックシャンクスを離すとベッドに座った。


「もしかしてハリー達の所に行ってきた?」


「えぇ、見事にロンに追い出されましたけど」



(だから不機嫌なのか・・・)



暫く談話室には下りないほうが良いかなと思った


「それと・・・」


ハーマイオニーが続きの言葉を濁す。


「どうしたの?」


「ハリーに差出人不明の箒が届いたの」


「箒?」


「えぇ、ファイアボルトとか何とかっていう」


「ファイアボルト!?あの箒がハリーに!?」


ファイアボルトと言う単語が出るとは目を見開いた。
それもそのはず、夏休み中にハリーと足しげく通って見た高級箒だ。


知ってるの?」


「これでもクィディッチ好きの端くれよ!羨ましいわ」


少し熱く語るにハーマイオニーは苦笑が隠せない。


「でもその箒・・・誰が送ってきたのかしら?差出人不明なんでしょう?」


ふと疑問を口にするに、ハーマイオニーは顔を曇らせる。


「推測だけど・・・その箒の差出人って・・・」






昼食時、大広間に下りていくと、各寮のテーブルは
壁に立てかけられ、中央にテーブルが1つあった。
ダンブルドア先生・マクゴナガル先生・スネイプ先生・
スプラウト先生・フリットウィック先生とフィルチが座っていて、
生徒は達を除いて2人しかいなかった。


「これしかいないのだから、寮のテーブルを使うのは
いかにも愚かに見えたのでのう・・・さぁ、お座り!
おぉ、1人ここが空いておる、はここにお座り」



(ご指名ですか・・・)



確かに生徒の席は残り3つ。
ダンブルドアが指定した席はダンブルドアとセブルスの間。



(なんちゅー微妙な席に座らせるかな!?)



顔が引きつっているとは反対に楽しそうなダンブルドア。
隣を見れば、また何とも嫌そうな顔のセブルス。


ハリー達に向こうに座ると話してから、
が嫌々ながらも席に座るとセブルスがふんっと鼻を鳴らした。



(まったく嫌なのは私の方よ!あとで憂さ晴らしに悪戯してやる)



は仕返しにニヤリと笑ってやったら、セブルスは悪寒が走ったとか。


「メリークリスマス!」


ひと段落着くとダンブルドが改めて挨拶した。


「クラッカーを!」


ダンブルドアがはしゃいで、大きな銀色のクラッカーの
紐の端の方をセブルスに差し出した。
セブルスがしぶしぶ受け取り引っ張ると、大砲のような音がしてクラッカーが弾け、
ハゲタカの剥製をてっぺんに乗せた、大きな魔女の三角帽子が現れた。


「ぷっ!」


が思わず噴出したらセブルスにギロリと睨まれた。
セブルスは唇をギュッと結び、帽子をダンブルドアの方に押しやった。
ダンブルドアはすぐに自分の三角帽子を脱ぎ、それを被った。


「ドンドン食べましょうぞ!」


ちょうどその時、大広間の扉が開き、トレローニー先生が入ってきた。



(きらめくでかトンボみたい・・・)



そう思ったのはだけではなかったようだ。
ハリーやロンもしっかり顔が引きつっている。


「シビル、これはお珍しい!」


その後トレローニー先生がここに来た経緯を話していたが、
は何も聞いていなかった。
の頭には別のことが支配していたのだ。





「シリウス・ブラック?」


それは先ほどの部屋でのハーマイオニーとの会話。
ハーマイオニーが推測するに、ハリーにファイアボルトを送ったのは
シリウス・ブラックだと言うのだ。


「でもシリウスは逃亡中よ?」



(お金の事は全然心配ないけど・・・
逃亡中に買い物なんて何処まで馬鹿犬なのかしら)



「きっと何か方法があったのよ」


そう考えるハーマイオニー。
ありえない話ではないが、複雑な気持ちになる
ハーマイオニーはこの事をマクゴナガル先生に話すと言うが
これでハリー達と問題が起きるのは目に見えている。





「あら、ルーピン先生はどうなさいましたの?」


トレローニー先生の言葉でハッと我に返る


「気の毒に、先生はまだご病気での」



(そっか・・・あの日が近かったっけ)



「セブルス、ルーピン先生にまた薬を造ってさしあげたのじゃろう?」


「はい、校長」


「結構。それなれば、ルーピン先生はすぐによくなって出ていらっしゃるじゃろう。
なんだったら、後で様子を見に行ってくれんかのう」


「はーい」


2時間後、トレローニー先生の理解し難い言動と隣で睨んでくるセブルス以外は
何事もなくクリスマス・ディナーは終了した。



ハリーとロンは談話室に戻り、ハーマイオニーはマクゴナガル先生と話している。
きっと箒のことだろう。
は少しダンブルドアと話した後、ゆっくりと談話室に戻った。
いざこざに巻き込めるのは御免被りたい。
どちらの言い分も分かる。もハリー同様に板ばさみ状態である。



早く仲が修復してもらいたいものだ。



そう思わずにはいられないだった。













つづく

















◆後書き◆
トリオが仲悪いの嫌だぁー。
ってことで・・・これからいろんな部分ハショリます;










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