その夜、グリフィンドール塔では誰も眠れなかった。
再び城が捜索されたが、明け方にマクゴナガル先生が
ブラックがまたもや逃げ遂せたと告げた。





〜一難去ってまた一難〜





次の日から何処もかしこも警戒が厳しくなっているのが分かった。
被害にあったロンはにわかに英雄になり、聞かれれば誰にでも
微に入り細をうがって語って聞かせた。


「だけど、どうしてトンズラしたんだろう?」


ハリーとロンの疑問にはも同意見だった。



(どうしてロンなの?何かあるなら私かハリー・・・。何故ロンを?)





そんなことをしているうちに時は過ぎ、
いつの間にやら談話室にホグズミード行きのお知らせが貼り出されていた。


今回はハーマイオニーと2人で女の買い物をするため、
は新しい買い物リストを作成していた。
そこへ2つの影がテーブルを覆った。


、ごめんね」


「その・・・バックビークの裁判手伝わなくて・・・」


ハグリッドの所へ行っていたハリーとロンがに謝った。
ハグリッドがいろいろと話したらしい。
もちろんクリスマス以降、と同じようにハグリッドの所に
出入りしていたハーマイオニーのことも。


「私は別に良いけど・・・。謝るなら相手を間違えているわよ」


チラリと後ろのテーブルを見る。
それにつられてハリーとロンも後ろを振り返る。


「ハリー!」


テーブルに作られた壁の隙間からハーマイオニーが見えた。


「ハリー、今度ホグズミードに行ったら・・・
私、マクゴナガル先生にあの地図のことお話しするわ!」


ハーマイオニーがそう言った途端に予想通りの言い争い。
クルックシャンクスが乱入してハーマイオニーが急いで
女子寮に戻らなければ治まらなかっただろう。


「いい加減仲直りしたら?」


「ハーマイオニーがあの猫をどっかにやってくれたら、僕、また口をきくのに」


ロンが不機嫌そうに言った。
その言葉には再び溜息をついた。


「ねぇもホグズミード一緒に行かない?」


「ごめんなさいね、今回は女同士でショッピングなの」


ハリーに聞かれてはハーマイオニーが去っていった階段を見る。


「そっか」


少し残念そうな顔をするハリー。


「それで、ハリーどうするんだい?」


ロンは、まるで何事もなかったかのようにハリーに聞いた。
ハリーはハーマイオニーがいないことを確かめて口を開いた。


「オッケー。だけど、今度は透明マントを着ていくよ」


それを聞いていたは口を開いた。


「ねぇハリー」


まで反対するのかい?」


ロンがムッとして言う。


「違うわ。ホグズミードに行くのは別に反対しない」


それを聞いて、良かったと呟く2人。


「でもね、これだけは言っておく・・・」


は真面目に言葉を紡ぐ。



「それで何かあったら自分の責任だからね。
自分の行動でそうなったなら私は庇ったりできないから」



それを承知しておいて。



そう言い残して、も女子寮に戻っていった。
残されたハリーとロンは暫くその場に佇んでいた。






そして迎えたホグズミード行きの日。
ハリーのことは仕方なく内緒にすることにして、
はハーマイオニーとのショッピングを楽しむことにした。


、あれなんてどうかしら?」


「うーん、それも捨てがたいわね・・・」


やはり女同士だと買い物も半端ではない。



回る店も残すところ半分になった頃。
外を歩いている達の元に、1羽の梟が飛んできた。
そしての手に紙切れを落とし再び飛び去っていった。


は届けられた紙を開いた。
そこには、何とも簡潔に一言だけこう書いてあった






今すぐ我輩の研究室に来い





「は?」


思わず口に出した疑問の言葉。
梟も学校ので呼び出し人の名前も書いていないのだが
簡潔な文章からそれは読み取れた。
一人称が我輩なんてホグワーツに、いや、魔法界に1人しかいない。
呼び出し人はセブルスだ。


「ごめんハーマイオニー!呼び出し食らったからホグワーツに戻るね!」


今すぐと言うのだから、今すぐ行かなければとんでもない目に遭うだろう。
は、ごめんとハーマイオニーに謝って事情を話した。


「えっ、えぇ。大丈夫なの?」


慌てるを目の前に、ハーマイオニーは返事くらいしか言えなかった。


「本当ごめんっ!それじゃ後でね」


そう言っては呼び出し主の元へ急いだ。




(私呼び出されるようなことしてないし!)















つづく

















◆後書き◆
疑問ばかりが置いてけぼり(苦笑)
次はセブー。
(あれ?これってシリウス相手のはずだったよね・・・。)









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