「空が青いなー」


かったるい授業を抜け出したシリウスは屋上に来た。
そしてそのままゴロンと寝転ぶ。目の前には澄んだ青い空が広がっている。


暫く流れる雲を見ていたが、突然屋上の扉が開く音がした。
サボリがバレたかと思わず身構えたが、入ってきたのは十分に知っている奴だった。


「やーっぱりここにいた、サボリのシリウスくん」


そう言ってシリウスに近づいてきたのはだった。




「サボリ上等ー」


「はいはい」


「つーかお前もだろ?」


「まぁね」


は悪戯っ子の様に笑いながらシリウスの横に腰を下ろした。
それに習ってシリウスも起き上がり、ポケットからタバコを取り出した。


「あんたタバコ吸ってんの?」


「あぁー最近な」


慣れた手つきで火をつけると、タバコを口にくわえた。


「この不良少年」


「お前も吸う?」


「まだ早死にしたくありませーん」


そう言ってはそっぽを向いた。
タバコの煙がユラユラと空に昇っていくのを2人で眺める。
暫くしてはそっとシリウスを見る。





「なんだよ」



「うーん・・・でも味は気になるわよね」



「は?」


シリウスが問いかけようとしたら、の顔が目の前にあった。
次の瞬間、シリウスとの唇が重なった。それは短く触れるだけのキス。
思わぬ出来事にシリウスは目を見開く。







「・・・初めてのキスはタバコの苦い味」





ってね。



お互いの唇が離れるとそう言って妖艶にクスリと笑い、
は屋上から出て行った。




ガタンッ






扉が閉まる音がしてもシリウスはその場から動けなかった。
口元を押さえ、顔をほのかに赤らめたまま。












「おいおい・・・期待しちゃうぞー」



その呟きは青空に吸い込まれていった。



















END

















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