〜秘密の部屋〜
あれから数日目の夜、ハリーとロンはアラゴグに会いに行った。
は寮でお留守番。
(行っても・・・意味ないし・・・やっぱ・・・クモだしね)
との理由で、可愛そうなハリーとロンの無事を祈った。
そして数時間後・・・ボロボロになって帰ってきた。
2人とも疲れていたので話は明日になったが、が
女子寮に入ろうとした途端、ハリーが突然言った。
マートルがカギだと・・・・・・
それを聞いたは心の中で安心した。
(あと・・・少しね・・・)
次の日、マクゴナガル先生が1週間後から期末試験が始まると、
授業の途中に発表した。
は大慌てで、次の日からハーマイオニーのいる保健室で勉強し始めた。
(石でもハーマイオニーが傍にいるとはかどるからだと・・・)
最初のテストの3日前、いつものように先生の許可を取って、
ハーマオニーの前では勉強していた。しかし少し経つと、
マダム・ポンフリーに仕事を手伝って欲しいと言われたので、奥の部屋に向かった。
その時、ハリーとロンと一緒にいればよかったのに・・・
が奥の部屋へ行って数分後、ハリーとロンが保健室に来た。
そして、ハーマイオニーの手からヒントが書いてある紙を取り出して、
それを見るなりロンと話をして保健室から出て行った。
その後すぐマクゴナガル先生の声が魔法で拡声され、廊下に響き渡った。
「生徒は全員、それぞれの寮にすぐに戻りなさい。
教師は全員、職員室に大至急お集まり下さい」
その声は、奥の部屋で仕事をしているには聞こえなかった。
日が暮れた頃、やっとは奥の部屋から出てきた。
そして、ハーマオニーの傍にある勉強道具を片付けて、出ようとしたが・・・
一枚の紙切れを見つけた。それには、バジリスクの事と「パイプ」と書かれていた。
「まさか!?あの2人で行ったんじゃ!?」
とは慌てて紙を置いて保健室を出た。
そして真っすぐ3階の女子トイレに向かった。
女子トイレに入ると、マートルと穴が開いた手洗い台があった。
「・・・遅かったか。マートル、ハリー達この中に入ってった?」
が来たのを嬉しそうにしているマートルに聞いた。
「えぇ、10分くらい前に落ちて行ったわ」
「まったく・・・こんなに早く来るとはね・・・」
呆れながら、「秘密の部屋」の入り口に入る準備をした。
「だって・・・本当の事を言えるはずなのに・・・つらいでしょ」
「まぁね・・・。っと、それじゃ行ってきます」
マートルにそれだけ言うと、穴の中に落ちていった。
学生時代、リドルに1回だけ連れてこられた事がある。
嬉しそうにやっと見つけたと言って・・・。
その時からかな・・・・・リドルが闇に染まってしまっていると感じたのは・・・・。
は、杖に灯りをつけると暗く続くトンネルを歩いた。
大分歩くと、向こうの方からガラガラと岩の音がした。
が急いで行ってみると・・・そこに・・・
「ロン!!」
ロンが1人で岩でふさがれたトンネルに通り道を作っていた。
「!?君がどうしてここに?」
びっくりしたロンが振り向いて言った。
「あぁ〜気にしないで;それよりハリーは?」
変に誤魔化しつつ、はキョロキョロとハリーを探す。
「ハリーはこの先に進んで行ったよ」
ロンがそう言うと、は急いで杖を構えた。
「どうするの?」
「ごめんねロン・・・私はどうしてもこの先に行かなきゃならないの・・・・
ロンはトンネルをどうにかしておいてねv」
ロンに何も言わせないうちに、は「姿くらまし」をして、岩でふさがれていた
向こう側に「姿現わし」をした。それをロンは、呆然と見ていた。
少し進むと半開きになっているドアがあった。はすぐさまそこへ入った。
中にいたのは・・・・・・ハリーと巨大なバジリスクと・・・ジニーとトム・リドルだった・・・・。
「あんのバカ!」
は、ハリーがバジリスクに襲われているのに気づき、
誰にも気づかれないように杖を振った。
ヒュンー
それと同時に、白い光がバジリスクめがけて飛んでいった。
その光がバジリスクを包むと、バジリスクはおとなしくなった。
「誰だ!?」
急にバジリスクがおとなしくなったのを見て、リドルは入り口を見た。
「久しぶりね・・・・エセ主席さん・・・」
皮肉たっぷりに言って、コツコツとリドルと傷だらけのハリーの所へ
は歩いていく。
「おやおや・・・転生お姫様。こんな所で再会するとはね」
リドルは久しぶりに元恋人に会えたことが嬉しそうだった。
はちらりと横にいるハリーを見た。
「・・・その呼び方やめて。できれば二度と合いたくなかったわよ・・・お互い・・・この姿でね・・・」
が切なげにリドルを見る。
「っていうわけだから・・・ハリーとジニーを返してもらうわ!私もさっさと帰りたいから」
リドルは口元を引きつらせ、得意のエセ笑顔で言った
「つれないな〜元恋人に対してvそれに、いくらの頼みでも帰すわけにはいかないよ」
そう言って、に杖を向けた。
(あくまでも・・・やる気か・・・)
危険を感じたは、またちらりとハリーを見た。
ハリーの手には、お世話になっている組み分け帽子と秘密の部屋の中を
飛び回っているフォークスがいる。それを見て思いついたは小声で
ハリーに言った。もちろんリドルに気づかれないように。
「ハリー・・・リドルは私に何かすると思うわ・・・そしたらバジリスクを大人しくさせている
光も消えるの・・・だから・・・リドルが私に魔法を掛けても迷わず組み分け帽子を手に入れて・・・」
「えっ?うん・・・分かったけど。さっきから気になってたんだけど、はリドルを知ってるの?」
ハリーも小声で返す。
「えっ、えぇ・・・まぁ・・・ね」
と必死に誤魔化して話を止め、杖を出そうとしたがリドルの方が早かった。
は壁まで吹き飛ばされた。
「お話の時間はそこまでだよ」
リドルがもう一度杖を振ると、は壁に磔にされた。
「ごめんね・・・。そこでゆっくり僕とハリーの決闘を見ていると良いよ」
リドルがに近寄りの頬に手を添えると、バジリスクを包んでいた光が消えた。
「私に触らないでリドル。もう・・・昔じゃないの・・・」
その言葉は、言ってるにも辛かった。
リドルの表情が一瞬曇ったが、すぐにバジリスクの方に向き直り
「あいつを殺せ」
と蛇語で言った。
「ハリー!早く!」
動けないは、ハリーに向かって叫んだ。
ハリーは急いで組み分け帽子に手を入れた。
中から出てきたのは、銀の剣だった。
ハリーはためらいもせずに、その剣をバジリスクの口蓋にズブリと突き刺した。
しかし、バジリスクが倒れると引き換えに、ハリーの腕にバジリスクの長い毒牙が刺さった。
ハリーは壁にもたれたまま、ズルズルと崩れ落ちた。
それをは痛々しげに見たが、傍にいたフォークスに静かに呟いた。
「お願い・・・フォークス」
がそう言うと、フォークスは静かにハリーの傍に飛んで行った。
そしてハリーの元へ行くと、涙を流し始めた。
「ハリー・ポッター、君は死んだ。ダンブルドアの鳥にさえそれが分かるらしい。
鳥が何をしているか、見えるかい?泣いているよ」
リドルがハリーに近づいて言った。
「それはどうかしら?」
壁に磔られたまま、勝ち誇ったようにが言った。
驚いたリドルは、を見てハリーを見る。
ハリーの傷はフォークスの涙によって治っていたのだ。
それを見て怒ったリドルは、に再び杖を向けた。
「くっ!」
の体力が減っていく。
(やっぱり・・・・・・リドルには・・・・・・敵わないの・・・・・・?)
もうダメかと思った瞬間、恐ろしい耳をつんざくような悲鳴が響いた。
が力を振り絞って目を開けると、ハリーがバジリスクの牙で
日記を刺しているのと、日記帳から大量のインクが出ているのと、
リドルが悲鳴を上げながら消えたのを見た。
リドルが消えると同時に、を苦しめていた魔法も消え、壁から離れた。
ハリーは意識を取り戻し泣きじゃくっているジニーを慰めた。
「2人も無事で良かった!」
体力を少し取り戻したは、ハリーとジニーに駆け寄り
思いっきり抱きしめた。
ハリーは顔が赤くなっていたし、ジニーは落ち着いたようだが、
少し苦しそうだった。
つづく
◆後書き◆
やっと・・・ここまで来たよー!!!(叫)
そして・・・意外とあっけなく終わった(死)
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