「俺・・・イタリアに行くんだ」
恋人である山本武がそう告げたのは
高校卒業目前のある日。
俺が入った世界は厳しくて危険なんだ。
だから今はを連れて行けない。
いつになく真剣な武。
知っているけどね。
「だけど、いつか必ず迎えに行くから」
武に抱きしめられた温もりは暖かかった。
結局、私は武を見送った。
武を見送る私は1つの決心をしていた。
だから少しのお別れ。武には内緒。
中学の頃から顔馴染みだったリボーン君から
マフィアやボンゴレ、ツナ君がボスで武がファミリーで守護者だという事、
その全てを聞いたのは武にイタリア行きを告げられる1ヶ月前。
武達が何かやっていたことは知っていた。
中学の頃、怪我をしてきたことから危ない事だとも勘付いていた。
それでもやっぱりリボーンくんから聞いた時には吃驚した。
武からよりも先に、高卒したらイタリアに行くことを聞いた時には
涙が出そうだった。
「そっか・・・」
私の心を察してか、リボーン君は何も言わなかった。
それから1週間、私は泣いた。代わりに1つの決心をした。
その話はリボーン君と、そして次期ボスであるツナ君に話した。
リボーン君は「それでこそ山本の彼女だぞ」と言って賛成してくれた。
反対にツナ君は驚いていて、「そんな!?危ないよ!」と怒られた。
「でも前にリボーン君が、には素質があるぞ、って言ってくれたもん」
それにね、私、武の傍にいたい。
もう決めたことなの。
そう真っ直ぐにツナ君を見ると、私の決意が伝わったのか
暫くしてツナ君が分かったよと言ってくれた。
「ありがとう、ボス」
そう言うとツナ君は照れたように笑った。
ーーーあれから3年後の4月24日ーーー
「師匠、今日までありがとうございました!」
「おう。ここまでよく頑張ったな」
深々とお辞儀するを見て、頭を撫でながら師匠たる人物は言った。
今のならどんな敵でも瞬殺だな。
師匠褒めすぎです。というか物騒な事言わないで下さい。
せっかくセットした頭をぐしゃぐしゃにされる前に師匠の手を退けた。
「しかしまぁ、彼女にこんなにも想われているなんて
・・・雨の守護者も罪な男だね〜」
「う、うるさいですよ、師匠!」
少し照れながらが怒鳴る。
あれから3年。
私は武に内緒でボンゴレに入った。
しかしどう見ても一般人な私。この世界で生きていくには難しい。
そこでリボーン君とツナ君にお願いしたのだ。
「私をボンゴレに入れてください!
そしてマフィアの世界で生きていく為に戦い方を教えてください!」
ストレートに言えば、武の傍にいたい!なんだけどね。
ボスであるツナ君のおかげで、こんな素敵な師匠とも巡り会えた。
「ほらっ、迎えが来たぜ」
私が思い出に耽っていると、師匠が前を指した。
その方向を見ると黒い高級そうな車からリボーン君が出てきた。
「暫く見ねぇ間に綺麗になったな」
「あら、そういうリボーン君こそカッコ良くなったんじゃない」
当たり前だろ。
お互い笑いながら早速車に乗り込んだ。
「それじゃ師匠、行ってきます」
師匠との感動の別れなのに・・・
の頭の中には武に会えることしかないのは見て分かった。
そんなに師匠はちょっぴり悲しくなるのであった。
所変わってボンゴレアジト。
「あっ山本、今日大事なお客さんが来てるんだ。
悪いけど玄関まで迎えに行ってくれないかな」
報告書を提出しがてらに武が寄ったボンゴレボスこと綱吉の部屋。
ふと、綱吉が書類に走らせるペンを止め武に言った。
「別に良いぜ。でも客って誰だ?」
「ふふふ。それは行ってからのお楽しみ」
一応引き受けたものの、武は綱吉のもの凄い笑顔が気になった。
「玄関前で待ってるって言ってたけど・・・」
そう言って武が玄関の扉を開けた瞬間、ボスッと抱きつかれた音がした。
何だと思って下を見ると
「!?」
「えへへ、武!」
「えっ、ちょ!?マジで?!?」
わぉ。武のこの慌てっぷり、見たことないよ。
「そうでーす、貴方の彼女のさんです!
武が迎えに来るの待てないので、この3年相当頑張って来ちゃいました!」
「えっ?話が理解できてないんだけど」
「詳しくは後で話すけど、とりあえず今日からずっと武と一緒にいられるの!」
「マジっ!?」
マジです。
武の言葉に笑って返す。
そう言えば、まだ言ってない。
「ねぇ、武」
「ん?」
「お誕生日おめでとう!プレゼントは私です☆」
なんちゃって。
照れたように笑うを武は嬉しくてさらにぎゅっと抱きしめた。
「やべぇ、人生で最高のプレゼントだぜ!」
君に捧げるプレゼント
◆アトガキ◆
ってことで、山本誕生日おめでとう!
山本夢なのになんだか出番少ない気がするのは
・・・きっと気のせいですっ(ヲイ)
何だか詰め込みすぎちゃったかな・・・;
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