どうして僕じゃなかったんだろう…。




「ここに居たんだ」




「ジェ―ムズ…」




誰もいない古びた部屋。




ほとんど誰も知らない隠し部屋だ。




「どうしてここが?」




泣きはらした顔を見られたくないのか、
彼女は窓の外を見たままだ。




普段ならその質問の答えもすぐに分かるはずなのに…




ジェ―ムズはそう思った。




「地図だよ」




「…そう」




暫くの沈黙。
彼女は僕を見ようともしない。




それが僕は悔しくて
思わずを抱きしめた。





「ジェー・・・」




「僕じゃだめ?」




「何言って・・・」




「シリウスじゃなくて僕じゃだめ?」





本当はずっと君のこと見てたのに





ずっと愛してたのに





シリウスよりもずっと愛してたのに





僕なら君をこんなに悲しませない





どうして僕じゃなかったんだ





「ジェームズッ」





返事も聞かずに塞いだ唇






僕は最低な男だね










それでも僕は
君に愛されたいんだ



















◆後書き◆
悲恋は書かない私なのに!何故!みたいな(笑)
何かいろいろなものにゴメンナサイ;










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