沢田綱吉。
周りからは何をやってもダメだから
ダメツナと呼ばれている。
そんな彼を、不覚にも私は好きになってしまっていた。
ほら、今日もまた言われている。
「やっぱ沢田はダメツナだよなー」
おい沢田、苦笑と溜息が一緒に出てるよ。
「別にダメダメじゃないと思うけど」
「お、がダメツナを庇うなんて珍しいじゃん」
珍しいとは失礼な。
「沢田は、ただ鈍いだけだよ。
それより、あんた達早く行かないと風紀委員が見回りに来るよ?」
「げっ」
と声をそろえて、急いで出て行くクラスメイト。
「はぁ」
クラスメイトを見送って一息ついた。
2人だけになった空間。
やや暫くして、沢田が苦笑した。
「・・・今のフォローになってなかったよ」
あはは。
それもそうだね。
「でも、鈍いってのは本当じゃない」
「え?」
「だって私が沢田の事好きなの気づいていないでしょ」
私はフと笑い、沢田に背を向け教室の外に足を向けた。
「えぇっ!?」
ワンテンポ遅れて沢田の驚いた声が背中に当たった。
ねぇ、気づいてよ
(えっ!?ちょっと!今のって---)
(二度と言わないわよ・・・)
◆アトガキ◆
何時になく強気ヒロイン(笑)
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