〜死神犬を見たら〜
は『数占い』の授業を受けた後、ハリー達と合流するために
『変身術』の教室へ向かった。当の本人達は北塔からの
距離のためか教室に入ってきたのはギリギリだった。
「授業はどうだった?」
授業が始まってまもなく、小声でハーマイオニーに
はそう聞こうと思ったが、何だか様子がおかしかった。
それはハリー達だけではなく他のグリフィンドール生もだった。
何かある度に皆がハリーをチラチラ見ているのだ。
「まったく、今日はみんなどうしたんですか?」
マクゴナガル先生がトラ猫に変身したのを見ていただけが
拍手をした中、あまりの反応にマクゴナガル先生は元の姿に戻るなりクラス中を見回した。
「別にかまいませんが、ミス・を除いて私の変身が
クラスの拍手を浴びなかったのはこれが初めてです」
皆がいっせいにハリーの方を振り向いたが、誰も喋らない。
するとの横でハーマイオニーが手を挙げた。
「先生、私達、『占い学』の最初の授業を受けてきたばかりなんです。
お茶の葉を読んで、それでーーー」
ハーマイオニーがそこまで喋ってはピンときて、マクゴナガル先生を見た。
「ああ、そういうことですか」
マクゴナガル先生もと顔を合わせ納得した表情になった。
「ミス・グレンジャー、それ以上は言わなくて結構です。
今年はいったい誰が死ぬことになったのですか?」
暫くして「僕です」と言うハリーの声がした。
(はぁ・・・やっぱりハリーか・・・。だからあのインチキ占い師は嫌なのよね・・・)
マクゴナガル先生がトレローニー先生の話をしているのを
聞きながらは小さく溜息をついた。
少し昔に会ったことがあるは、その時にも今のハリーと同じ様に
貴方は死にますよ、と言われたのだ。
「ポッター、私の見るところ、あなたは健康そのものです。
ですから、今日の宿題を免除したりいたしませんからそのつもりで。
ただし、もしあなたが死んだら、提出しなくても結構です」
この言葉にはもハーマイオニーも吹き出した。
がチラリとハリーを見ると、少し気分が軽くなったように見えた。
変身術の授業が終わり、4人はどやどやと昼食に向かう
生徒達に混じって大広間に移動した。
「『占い学』って、とってもいい加減だと思うわ」
大広間で昼食を取るなり、ハリー達は『占い学』であったグリムの話をした。
「言わせていただくなら、あてずっぽうが多過ぎる」
「あのカップの中のグリムは、全然いい加減なんかじゃなかった!」
ハーマイオニーの主張にロンはカッカしていた。
ハリーは隣で少しハラハラしながらそれを見ていたが
は気にする事も無かった。
「『占い学』で優秀だってことが、お茶の葉の塊に死の予兆を
読むふりをすることなんだったら、私、この学科といつまで
お付き合いできるか自信が無いわ!あの授業は『数占い』
のクラスに比べたら、まったくのクズよ!」
(ごもっともな意見だと私も思うわ・・・)
も心の中ではハーマイオニーに賛成だった。
ハーマイオニーはカバンを引っつかみ、ツンツンしながら去っていった。
ロンはその後ろ姿にしかめっ面をしながらに話しかけた。
「あいつ、まだ一度も『数占い』の授業に出ていないよね?」
は本当の事を話すわけにもいかないので、えぇ、と答えておいただけだった。
次の授業は『魔法生物飼育学』だった。
〜つづく〜
◆アトガキ◆
短く・・・ちょっとずつ・・・ちょっとずつ・・・。
結局ハグリッドの授業は次になってしまいました;
占い学って好きじゃないと出来ない気がしますね。
戻る