今日は5月5日。 世間では子供の日。 休日。 もちろん学校もお休み。 なのだが、の足は並盛中へ向かっていた。 今日は大切な日だから。 その一言が言いたくて 休日の学校へ来ることはあまり無い。 誰も居ない学校というのは新鮮なものだ。 は下駄箱から目的地である応接室に向かった。 よし、まだ来てない。 ドアをそっと開けて、誰も居ないことを確認し応接室に入った。 そして持っていた袋から小さな箱を取り出し、 部屋の主が使っている机の隅にそっと置いた。 どんな反応をするかな、と考えた私は自然と笑みがこぼれた。 暫くするとドアが開く音がした。 やっと来た。 「・・・何で居るの?」 応接室に入ってきた部屋の主である雲雀さんは珍しく驚いている様子だった。 「忘れ物しちゃったんで取りに来たんです」 忘れ物したのはわざとだ。 まったくもって、ただの口実だ。 「ふーん」 とりあえず深く追求されなくて良かった。 「雲雀さんこそどうして?」 今日はお休みですよ。 「休日でも風紀の仕事はあるんだよ」 そうだと思いました。 「それじゃ、私は邪魔にならないうちに帰りますね」 本当は、一緒に居たいけど・・・。 「そう」 今日はこれが言えれば良いか。 はドアの前で一旦止まる。 「雲雀さん」 「何?」 振り返って笑顔で言った。 「お誕生日おめでとう御座います」 お仕事頑張ってくださいね。 そう言っては応接室のドアを開けた。 ドアを閉める際にもう一度雲雀さんを見た。 彼は凄く驚いた顔をした後、微かに笑って「ありがとう」と言ってくれた。 今の私の顔は凄く緩んでいて、きっと幸せな顔をしているだろう。 ◆アトガキ◆ 子供の日が誕生日って覚えやすいですし 何だかカワイイですよね・・・。 時期ハズレですが雲雀さん誕生日ネタでしたー。 戻る |