ほんの些細なことでも・・・・・・


すれちがいは・・・おこるもの・・・・・・




〜すれちがい〜




ここはホグワーツの図書室。
珍しく悪戯仕掛け人が勉強しております。


「あぁ〜〜やってられないわ!」


ベシッと教科書を叩き、ぼやくのが


「まぁ、ここまで出さなくてもね」


と、の横で苦笑するのがリーマス。


「ジェームズ、ここ分かる?」


「あぁ、もちろんvここはね・・・」


とラブラブなオーラを振りまいているのがジェームズとリリー。


「分かんない〜;」


「だから、ここはこうなるだろう?」


と悩んでいるピーターとそれを教えるシリウス。


・・・やはり珍しい光景である・・・・。




「ブラック君」


が魔法薬学のやっかいなレポートと格闘していると、
美人と噂されているレイブンクローの先輩がシリウスを呼んだ。


「ちょっと・・・話があるんだけど良いかしら?」



(・・・古いパターンだ!)



「あっ・・・あぁ・・・」


先輩の頼みだから断れないシリウスは席を立って行った。





「遅い・・・・・・」


羽根ペンをクルクル回しながらが呟く。


・・・まだ3分も経ってないよ?」


リーマスが呆れながら言う。


「わっ、私は別に!そっそうだ本、探してくるね!」


リーマスに図星をつかれたのか、慌てて席を立って本棚へ向かった。


って・・・分かりやすいわね」


リリーの言葉に全員が納得した。





「どこ行ったのかしら・・・って・・・私は別に、もぅ!」


本棚の間を歩きながら、ブツブツ文句を言うのは、傍から見ると怪しいものである。


ふと、隣の本棚から声が聞こえた。



(ん・・・?シリウスと・・・先輩の声?)



気になったは、隣の本棚を覗いた。

数秒後・・・は見なきゃ良かったと思った・・・

シリウスと先輩がキスしていたのだから・・・

は、そのシーンを目に嫌でも焼き付けられたままその場を立ち去った。





「ごめんねっ!先に戻ってる!」


ジェームズ達のもとに戻るなり、やりかけの宿題を持って図書室を出て行った。


「あっ・・・!」


ジェームズが呼びかけたが、は振り返らなかった。



「泣いてたね・・・」



リーマスが呟くのとシリウスが戻ってきたのは同時だった。





翌日から、最悪だった。
は、シリウスと話すのが気まずかった。
だから、知らず知らずにシリウスを避けるようになっていた。


魔法薬学の時も---


「今日は、2人ペアで調合してくださーい」


、俺とやらない?」


いつもは、喜んでシリウスとやるのだが・・・


「ごめん・・・リリーとやるから」


「えっ、?」


「あー僕のリリーが!」(これは聞かなかったことにして)


そう言って断った。


廊下で会っても、悪戯する時も、用事があると言って避けた。





3日目、いい加減シリウスも気づいてきた。
だから、何故急に自分を避けるようになったのかを聞くため
夕食を食べた後、談話室に向かう廊下でを呼び止めた。


「何か用?」


は、シリウスを見ないで言った。


「何で俺を避けるんだ?」


「避けてなんかないわ・・・」


あくまで自分を見ないに、シリウスはイライラしてきた。


「じゃぁ、何で俺の目を見て話さないんだ?」


そう言って、の肩を掴んだ。


「はっ、離して!避けてないって言って---んっ」


言葉をつなげようと思っても出来なかった。
シリウスの唇で自分の唇を塞がれてしまったから。

シリウスが離れた時、の頬には涙が伝っていた。



パシンッ!!!



誰もいない廊下に、乾いた音が響いた。




「シリウスなんて、もう知らないっ!!!」




そう言い残して、暗闇に走っていった。




罪悪感とシリウスを残して・・・。











→後編













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