「はぁ〜〜〜〜」


・・・本日56回目のため息・・・


(数えてるところがすごいですが・・・)


何故、ため息をついているか・・・


それはこれから話すとしよう





〜それは君のために〜





「はぁ〜〜〜〜」


ここは大広間。朝食をとる生徒らでいっぱいなのだが・・・
の周りに座っている生徒は・・・ほとんどいない。



「はぁ〜〜〜〜」



朝から幸せが0.01秒で逃げてしまうほど深〜いため息をつく

普段からは元気だけがとりえなが幸せが・・・(以下省略)
とにかく周りの生徒は少し怯えながら彼女と距離をとっていた。



「56回もため息ついていると幸せが逃げちゃうぞー」


そんなに勇敢にも話しかける(ちょっと間違っている)
親友のリリー(兼ジェームズの恋人)。
そしてのため息の数まで数えているすごい人。


「あぁ〜〜リリー〜〜私ね〜〜愛に飢えてるかも〜〜」


ゾンビのようになりながら、サラリとすごいことを言う。


「あー・・・?リーマスと喧嘩でもしたの?」


ゾンビになりかけのを見て苦笑しながらの隣に座るリリー。


「別に・・・喧嘩ってわけじゃ・・・ないんだけどね;」


「でも、リーマスがらみでしょ?」


恋の悩みなら任せて!というような顔で聞いてくるリリー。


「う〜〜ん・・・そうなんだけど・・・最近リーマスがねーーー」


が話そうとしたときーーー



「おはようv僕の愛しいリリーv・・・と


朝からリリー愛がすたらないジェームズ登場。


「おはよう、ジェームズ」


の話を中断させられたのが、気に食わないのか
いつもより素っ気なく挨拶したリリー。


「おはよう・・・って私はついでみたいな挨拶やめてよね!」


「おはよう。、今のジェームズは何言ってもダメだぞ」


ジェームズを指差しながらシリウスが言った。
見れば、リリーが冷たいと暗い影を背負って落ち込んでいた。


「あはは・・・あっ、おはようリーマス」


最後にやってきたのは、の恋人である甘党大王ことリーマスだった。


「おはよう」


いつもなら、ジェームズとリリーのバカップル並みにラブラブなのだが・・・
ここ最近、「おはようv」のハートもつけてくれないし、
何か隠し事をしているような感じだった。

そういう部分でリーマスは、顔に出る方なのでの悩みの種になったのだ。






「それはおかしいわ・・・」


斜め前にリーマスがいるにもかかわらず、
はリリーに小声で悩みを話した。


「そうなのよ・・・一時は浮気しているんじゃないかとーーー」


「まぁ!それは許せないわ!私のをなんだと思って!」


リリーは思わず大きな声を出した。


「リリー!声大きすぎ!それに・・・本当か分からないし・・・」


慌ててがおさえる。



「どうかした?」


リリーの大声で、リーマスが気づいてこちらを見た。


「うっううん;なんでもないわ!」


必死に首を振るに、納得したのか


「そう、じゃぁ教室でね」


とだけ言い、皆よりも早く大広間を出て行った。


「ふぅ・・・。とにかく、あまりリーマスを疑いたくないから・・・」


「そうね・・・。でも本当だったら・・・」


リリーが拳を握る。


(リ・・・リリー・・・目が本気だわ・・・;)






リリーに相談してから数日が過ぎた。


リーマスとは話はしているものの、やはりどこか変で
授業が終わればどこかへ行くし、食べ終わればどこかへ行くし、
夜も遅くに帰って来ているらしい。

そんなリーマスをが心配しないわけがない。
前に思いきって、何かあったの?と聞いてみたが


「なんでもないよ」


と答えただけだった。


心配そうなをリリーたちがほっとくわけなかった。
リリーは、何かと大丈夫よvと言って励ましてくれたり
ジェームズとシリウスは、リーマスに拷問までしてくれた(マテ)


2日後・・・。いつものように帰りが遅いリーマスに、今度こそ
ちゃんと聞こうと、は談話室で待っていた。
もちろんリリーたちも一緒。




(・・・リーマス・・・私のこと嫌いになっちゃったのかな・・・
他の女の子を・・・すきになっちゃったのかな・・・)




眠い目を必死に開けながら、は思った。


「そんなのやだよ・・・」



バサバサバサッ



の声に反応したのか、突然1羽の梟が談話室に入ってきた。


・・・あの梟・・・シアンじゃない?」


「えっ?」


リリーの言葉でが振り返ると、確かにの梟のシアンだった。
おまけに、何かカードのようなものを咥えていた。


「シアン、こんな遅くに誰からの手紙?」


その質問にシアンは、の肩に止まると、ホーと鳴いてにカードを渡した。


「誰からかな?」


そう言って、シアンからカードを受け取ったは、カードを読んだ。


「誰からだったんだい?」


ジェームズがに聞いたのだが、はジェームズが言うよりも早く
そのカードを持って、談話室を出て行った。

あとに残された3人は、呆然との出て行ったドアを見つめていた。




初めて君と出会った場所で
僕は待っています




(あれは、リーマスの字だわ!)



は必死に廊下を走った。